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水星を観る

10000045169月初め、水星が西方最大離角というネット記事を見かけ、早起きして出撃(=観望に出かけること)を試みた。

西方最大離角の当日9月5日は、ほぼ全天晴れてはいたのだが、東の方の低い空に限って雲がかかっており残念ながら見られず。ただ、おそらく晴れていれば見通せるだろうという観測場所を確保したので、捲土重来を期した。

1000004517翌日9月6日もまずまずの天気だったので、間髪置かずに連日の出撃。すると、この日もやや薄い雲がかかっているようではあったが、双眼鏡を通して見ると、確かにいた。水星だ。地平線近くのため、だいぶ黄色というかオレンジ色っぽい色味だが、このあたりで雲を貫通しても見える0等級の星は唯一水星のみ。

手持ちのスマホで証拠を残そうと思ったが、かなわず。双眼鏡経由なら見えるが、肉眼ではよくわからず、ましてや安物のアンドロイド搭載カメラでは太刀打ちできない。載せている画像の、左側で赤いライトがともるビルの右上あたりに水星はいた。

たかが水星と侮るなかれ。内惑星でも最も太陽に近いところを回る水星は、太陽からあまり離れないので、最大離角近くの限られた日数の間に、日の出間際または日没直後の低い空でないと見られないのだ。学生時代は天文部で何度も星を見に行ったものだが、基本は夜にずっと空が暗くなってからしか観測しないから、よほど意識しているのでもない限り、水星を見る機会はない。現に、自分自身では「水星見えた!」という記憶がこれまでなかった。地動説で有名な天文学者コペルニクスでさえ、その生涯で水星を見ることができなかったそうである。

というわけで、自分は見たぞ、という記録をここに記す。

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