年が変わって早々にまたしても京都鉄道博物館を訪問。
既に鉄道開業から151年めに入ってしまったが、150周年事業の一環の最後として、鉄道博物館三館(大宮、名古屋、京都)の館長がそろってのトークショーが行われていた。午後遅めの時間の到着だったので、もうだいぶ終わりかけの状態をチラッと見かけることしかできず。どのみち子連れでは辛抱強く話を聞くのは無理だろうから仕方ない。
この日訪れたのは、ウメテツキッズアンバサダーで一旦は応募したが落選していた、車掌のお仕事体験が、ドタキャンが出て繰り上げ当選となったため、おっとり刀で駆けつけた次第。
本館の左奥の方に、221系後尾車両の実物をぶった切った展示があり、そこを使っての体験授業である。何と大阪車掌区の現役の車掌さんが数名来られて講師役を務めるとのこと。
子どもたちも貸与される制服制帽に着替えて、本日の始業、敬礼。
まずは車掌の業務内容等について軽くレクチャーを受けたあと、車内案内放送の体験から。
示されているカンペは、おそらく実際の放送でしゃべっている内容と同じ本格的なもの。朗読がお世辞にも上手いとはいえない我が息子たちは、読み上げるのが精一杯という感じだったが、他に参加しているチビっ子に、抑揚も付けてエラい上手にアナウンスする子がいて舌を巻く。
続いて、列車運行にかかる業務体験で、発車時、到着時の仕業を体験。「信号よし」「戸締めよし」は誰でもわかるが、「Lよし」の点呼は初耳だった。これについては後述。
「Lよし」の"L"とは、「L空間」のことを指し、L空間とは、車両のドアからホームの点字ブロックあたりまでを含めたL字形の空間のことを指す。
要するに、ドアにはさまれた人やものが無いかを確認し、問題なければLよしとなるわけである。
体験のあとのおさらいでも、講師の車掌さんがとても重要と語っていたのが、降車後にこのL空間に居残っていることは、もちろん動き出す電車に近いから危険ということもあるが、さらに厄介なのは、手前にいる人で死角となって、その奥側にいる挟まれた人などを見逃すおそれがあるということなのだ。電車発車時に、電車から離れてくださいと何度も注意喚起する場面を時々見かけるが、こういう事情があるということを皆さんに知っていただきたいものである。
さて、メインのお仕事を終えたあとは、いつものとおり館内をほっつき歩くが、この日(この時期)限定の展示トピックスとしては、一等展望客車マイテ49形が挙げられるだろう。
以前(といってもつい最近)は扇型機関庫に止まっていたが、今回は館内の引込線で間近で見られるようになっていた。
車両形式名のマイテのうち、「マ」は客車重量に基づく表示で、「イ」とは一等車を指す。ちなみに「テ」は展望車を示す。
かつては一等車がイ、二等車がロ、三等車がハだったのだ。その後のルール変更でグリーン車がロ、普通車がハとなり、クモハ、クハ、モハ、サハなどはよく見かけ、特急のグリーン車でクロとかサロをたまに見かけるという次第。
もう一つこの日のスペシャルを挙げるとすれば、博物館すぐ横の貨物駅にちょうど貨物列車が到着するのに出くわしたこと。屋外テラスにいたとき、聞き慣れないメロディが何回か聞こえてきて、何だろうと思ったら、貨物列車到着の合図だったようなのだ。
電気機関車が長編成の貨物列車を引き連れてきて止まり、程なくしてフォークリフトがコンテナを積み込む作業をしていた。フォークの差し込みやコンテナ車両への積み込みはかなりシビアな位置調整が要るはずだが、難なく一発で決める職人技を目撃。
閉館時間の17時が近づいてくると、館内は驚くほど閑散としていた。蛍の光が流れる中、しつこく模型列車の運転シミュレーターを操作し続ける息子らを急き立てて退館。
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