友へ
君の訃報を聞いたときは、にわかには信じられなかった。病とは無縁のはずの君が、一瞬の病魔で斃れるなんて。もし人の命数を定めるような、神か、仏か、そういう機関が存在しているのであれば、私はそれに対して声を大にして言いたい。異議あり、と。
君との出会いは思い起こすこと17年前、まだパソコン通信だったFRUN(ランニングフォーラム)でテキストベースでの交流をしていた1999年のことだった。お互い同じ頃にデビューし、学年も一緒で、当時は期待の若手新人として、様々なマラソン大会や練習会で顔を合わせ、時にはライバルとして競い、時にはチームとして同じ襷をつなぐこともあった。
直接対決は数知れず、その大半は君の勝利だった。私はそれが悔しくて、マラソンに精進し、市民ランナーとしては相当に速いレベルにまで到達することができた。これも、君という、良きライバル、良きお手本、良き相談相手がいたからこそである。
プライベートにおいても、ラン仲間のマドンナを射止め、結婚するのも、子育てするのも、マイホームを得るのも、常に私の一歩先を進んでいた。お互い育児が始まって以降、ガチンコ勝負のランニングはほぼ休止となり、ようやく育児が落ち着いてきて、一足先に君のランが本格再始動という矢先の、今回の突然の別れ。お互い、父親になっても、爺さんになっても、ずっと良きライバルとして切磋琢磨し続けたかったのに、その機会は永遠に失われてしまった。
もちろん、最も驚き、悲しみ、無念の思いを抱いているのは君自身だろう。無力な私は何もしてあげることができなかったが、せめて、これまで知り合った多くの仲間とともに、君と分かち合えた思い出を忘れないようにすることと、これから新たに知り合うであろう仲間や次の若い世代に、君というすばらしい友人、偉大なランナーがいたことを伝えていきたいと思う。
そして、何十年先になるかもわからないが、いずれ私も君のもとへ向かう際には、君がいなくなってからの出来事を君に伝えたい。それまでの間、そちらで待っていてほしい。しばしの間だけど、お別れです。
ありがとう。
さようなら。
また会いましょう。
私の生涯最高の盟友へ
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