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『地震と噴火は必ず起こる』

130407_2爆弾低気圧引きこもり用というわけでもないが、久々に図書館で本を借りた中の1冊を読み終えて面白かったので記録。巽好幸著「地震と噴火は必ず起こる―大変動列島に住むということ―」(新潮選書)である。

日本列島は地震も多く火山も多い。なぜそうなっているのかということを改めて問い直してみて、なるほどと得心する要素が多数あった。地学を専攻していれば、プレートテクトニクスがあり、日本列島はプレートの沈み込み部分なので地震が多いということまでは常識の範疇だが、そもそもなぜプレートは生まれて動いていくのか、海洋プレートと大陸プレートが分かれているのはなぜか、冷めたプレートが沈み込む部分なのにマグマが発生するのはなぜか、という部分にズバリ答えていた。

詳細の説明は省くが、その要因は「水」である。太陽系の中でプレート変動が続いている惑星は唯一地球だけである。それは、海があったからである。海がなければ、惑星表面はどこも同じように冷え固まってそれで終わりだった。しかし、海があるために、惑星表面のうち、より低い部分が冷えて重くなり、亀裂ができて惑星内部に落ち込んでいく。その引っ張りの力を受けて海嶺から新たなプレートが生まれる。プレートの落ち込み部分では、プレートが水を含んでいることにより、地中深くでの組成に変化を及ぼす(融点を下げる)ことによって、本来固体でいるはずの岩盤が液体となりマグマとして上昇し、火山を形成する。自分はてっきり摩擦熱でマグマができると思っていたのだが、そうではないのだ。

かくして、地球上でも日本列島は地震と火山が集中する個所となっているのである。地震の後は火山の噴火が必ずと言っていい程セットになっているので、東日本大震災の後の火山の動向には要注意だ。また、海溝型地震はせいぜい100年か200年ぐらいのスパンで繰り返しているが、巨大噴火は5000年程度のスパンで繰り返されており、日本列島では約7300年前(縄文時代)に九州南部であった噴火を最後にそのクラスの噴火は起きていないとのことである。もし約8万7000年程前に起きた阿蘇山の大噴火(今の阿蘇カルデラが形成された)クラスの噴火があれば、九州一帯は全て火砕流で埋まり、ほぼ日本全域に火山灰が降る。そうした危険性のあるところに我々は住んでいるのだということを思い知らされた。

そんな危険極まりない土地になぜ我々は住んでいるのか。確かに苛烈な地震・津波・噴火はあるが、そのおかげで豊かな自然がある。温泉はもちろんのこと、うまい魚が獲れ、きれいな水があり、うまい酒ができる。日本列島とはそういうところだ、ということを改めて認識した。地震・津波や噴火自体を止めることはできない。後は、もし起きたとしてもできるだけ被害を少なくするかという不断の努力にかかっている。災害は忘れた頃にやってくる。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

もし読んでいなければ、『死都日本』(石黒耀)をお勧めします。
本のストーリーとしては今ひとつですけど、火山に関する描写は迫力あって、火山学会でも騒然となった話題作でした。

投稿: くまぼう | 2013/04/09 17:53

コメントありがとうございます。その本はあとがきの中で言及がありました。まだ読んだことないので借りて読もうと思います。(って買わないのですが

投稿: くりりん | 2013/04/10 23:30

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» 死都日本 [くりりんの問わず語り]
石黒 耀 著、講談社 刊。 (版元の紹介文より:)西暦20XX年、有史以来初めての、しかし地球誕生以降、幾たびも繰り返されてきた“破局噴火”が日本に襲いかかる。噴火は霧島火山帯で始まり、南九州は壊滅、さらに噴煙は国境を越え北半球を覆う。日本は死の都となってしまうのか? 火山学者をも震撼、熱狂させたメフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞受賞作。(ここまで) だいぶ以前から読もう読もうと思いながらその機会がなく、ようやく先日読了できた。SF小説では小松左京氏の「日本沈没」があまりにも有名だが、それよりも破局的噴... [続きを読む]

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