今城塚古墳公園の死角
この日は、南寄りの風が温かい空気を送り込んで、春のような暖かさ。せっかくなので走りに出かけるが、その格好は半袖とハーフタイツで十分であった。それで、近所の今城塚古墳公園へ向かった。一昨年春に開園して以来、手軽にランニングのできるスポットとして期待しており、しかも、いかにも走ってくださいといわんばかりに赤く舗装された遊歩道があるのだが、残念なことに、この道は公園内をぐるっと1周ができず、途中で途切れてしまっている。
途切れた一郭には、ここが公園として整備される前から存在していたのであろう、100平米そこそこの農地があった。何となくではあるが、ここも実は公園にするつもりなのだができていないのだろうなという雰囲気がある。いかにも不自然に取り残されている感じだ。敷地内にはあばら家も建っており、入り口には私有地につき立ち入り禁止との札が掲げてあった。
そう思いながら公園内を走っていると、掲げられている案内図が目にとまった。これは公園内でペットを入れてはいけないゾーンを示す図で、今までも何度も目にしているのだが、ふと気がついた。公園の上部の方に雲が浮かんでいる絵が描かれている。(拡大画像はこちら)
位置関係からすると、ちょうどこの農地とあばら家がある辺りのようだ。
そうか、と気がついて、もうひとつ別にある公園全体を案内する図を見てみた。すると、やはり!。公園の全体像の下の方に、古代人のオッサンの絵が描かれているのだが、これが公園の下の方に少し覆いかぶさるようになっている。このオッサンで隠されている部分が、まさにあの農地とあばら家がある一郭なのだ。(拡大画像はこちら)
中途半端に途切れた遊歩道と、この2枚の絵から推理した内容はこうだ。あの農地の一郭も、市当局としては公園に取りこんで整備したいと考えているが、地権者は同意していない。というのも、もし公園に譲ることが決まっているのなら、全てが公園として整備された絵を描けばよい。だが、まだ同意を得られていないので、そんなことをしたら地権者がへそを曲げてしまって余計にまずいことになる。しかし、だからといって現況通りあの一郭に農地とあばら家の絵をかいてしまったら、市当局としては全部の公園化をあきらめたものと取られかねず、そこは譲れない。このジレンマを回避するために、その一郭は隠してしまえ、ということになったのだ。地権者は隠された後ろには農地とあばら家が描かれているものと想像し、市当局は全てが公園とされて整備された状態を想像している。あの2枚の絵はそうした妥協の末に生まれたのだ。我が推理、いかがだろうか。
それでもって、推理が正しいとしての個人の感想だが、たかだかあれだけの農地にしがみついて抵抗するのはいかがなものかと思う。何か歴史的に残すべきものがあって、とかならまだしも、あの状態で莫大な利益を生んでいるとも思えない。タダで譲ってくれと言われているのなら抵抗するのはわかるが、相応の値段で買い取りとかであれば応じてやってもいいのではないだろうか。その方が多くの人の(最低でも多くのランナーの)ための利益となる。とかく個人の権利と公共の利益の調整は難しいものだ。
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