米村でんじろうサイエンスショー
この日は、高槻現代劇場で催された「米村でんじろうおもしろサイエンスショー」を観に行った。米村でんじろうといえばテレビ番組でいろいろな科学実験を見せてくれる科学者だが、このように各地を回って生の舞台でもショーをやっているそうだ。
会場近くでは小さい子供の姿がとても多い。そういう子供向けのショーであろうということはわかってはいるが、あえて大人の目で見るとどうか、が見どころ。開演後、まずはでんじろう氏本人が出てきて、ペーパーブーメランの実演をやって見せた。大ホールいっぱいに回って手元に戻ってくる。作り方は、短冊状の紙を切り目を入れて組み合わせるだけと、ずいぶん簡単だ。しかし、一方でなぜブーメランは手元に戻ってくるのかを、科学的に説明しようとすると大変だ。ジャイロ原理や航空力学を用いなければならない。また、旋回半径を大きくするには、ブーメランの端にテープなどで重りを付けるとよい、という説明があったが、それもなぜそうなるのかはすぐには思いつかない。
次の出し物は、でんじろう氏ではなくそのグループ内のアシスタントによる劇。一応海賊の船長と手下という設定なのだが、節々にギャグを入れて子供たちを笑わせる。子供が喜ぶのは、言葉遊びのダジャレとか、カンチョーのような下品ネタといった単純なものだ。それでも、その劇中で、風船にオレンジオイルを塗ると、しばらくすると破裂する、というのはなんでそうなるのかを説明しようとすれば、それぞれの物質の化学反応がどうなっているかを持ち出さないといけない。
その次には、再び「でんじろう氏が登場して空気砲の実験。巨大な空気砲に煙をためて発射すると、ドーナツ状の空気の塊が2階席まで飛んで行った。テレビでは何度も見たことのある光景だが、やはり生で見るとすごいと思う。
最後は、空気には重さがあるか、という話。当然重さはあるのだが、我々は空気の中で生活しているので、それを感じることは難しい。それを説明するための実験、ということで、大きな風船と、その風船の空気の入っていないものを二つ用意して、椅子にぶつけた。約200グラムの風船の皮だけだとちょっと動く程度だが、膨らませた風船には中に約1kgほどの空気をため込んでいる。風船をぶつけた椅子は、数メートルぶっ飛んだ。これも、大人の説明であれば、E=0.5mv^2という計算式で、運動エネルギーは質量の大きさに比例すると言って終わりなのだが、こうした実験の方がよほど分かりやすい。
最後には、その風船を会場いっぱいにばら撒いてみんなで触ってみようとなった。一応ショーは撮影禁止なのだが、これぐらい紹介させてもらってもよいだろう。少しだけ動画で撮ってみた。
子供たちが生き生きと楽しんでいるのが印象的だった。自分にも子供ができたら是非見せてやりたいものだ。
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