おかえり、はやぶさ
小惑星探査機「はやぶさ」をテーマにした映画、最後の第三弾も観に行った。今度は松竹が作成した「おかえり、はやぶさ」である。3月初旬に封切りされたが、気がついたらもう上映回数が減っており、中には上映終了となっている映画館もある。また、3Dでの上映もなされているのだが、今回訪れたワーナーマイカル茨木では3D上映は既に終了、2Dも1日1回のみになっていた。土曜19時からの上映で、観客は3組ほど。全部で10名にも満たないようでは上映機会が減らされていくのは仕方ないところ。
この作品での主人公は、イオンエンジン関係の若手エンジニアを演じる藤原竜也。その父が、火星探査機「のぞみ」のプロジェクトマネージャーで、のぞみでのミッションが失敗してしまったことを悔やみ一線から退いている、という設定である。これを三浦友和が演じる。
オープニングは何で来るかと思ったら、何と46億年前の太陽系誕生のCGから始まった。確かに小惑星はこの原始太陽系の時の状態を保っていると考えられているので、そこから導入するのもありだろう。
(以下ネタバレ注意)
ストーリーは今更言うまでもないことだが、今回の特徴としては3D映画として作られたということもあり、3D向きと思われるカットが随所に見られたということである。また、スイングバイなどの解説部分を担うようなCGを使った場面では、子供芸人まえだまえだの役を使って、どちらかといれば子供向けのテイストに仕上げている感じだ。
しかし、子供向けという感じかとも思えば、主人公とその父の葛藤や、JAXAスタッフの妻で、まえだの母役が肝臓を患っており移植のために渡米する話など、あまり本筋とは関係なさそうな人間ドラマ部分がちょっとダレる感じだった。それから出演者にココリコ田中やカンニング竹山などお笑い芸人がいることも目立った。だからといってさほどコミカルなシーンがあるかというとそうでもない。
まあそのような突っ込みどころが多々あっとしても、やはり最後の帰還シーンでは涙なしでは見られない。これはきっと戦国時代のように、既にあるストーリーを何遍も映画化・ドラマ化しようが何度でも見られるのと同じようなことなのだろう。それから、のぞみの方は失敗で、はやぶさは成功だったと単純化して見られがちだが、両者の違いは実は紙一重で、にもかかわらず、失敗することへの世間の風当たりは冷たいということは如実に感じられた。何かこれはオリンピックで金メダルを期待される選手を見るようである。
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