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はやぶさ 遙かなる帰還

120218映画「はやぶさ 遙かなる帰還」を観に行った。またはやぶさかよ、と言われそうだが、3作できる映画のうち2本目。以前観た「はやぶさ/HAYABUSA」は20世紀FOX社、今回の遙かなる帰還は東映の作品である。こうなったら全部観てやるという勢いだ。今日の高槻アレックスシネマは15時頃の上演で30人ぐらいの聴衆というところか。ここがつぶれてしまうと不便なので、もし梅田・京都で席が取れないという方がおられたら、新快速ですぐ来られる高槻もどうぞご利用されたい。

ストーリー自体は今更説明するまでもない。この作品ではいきなりロケットの打ち上げから始まる。一番最初のシーンを見て一瞬でそれが何かが分かってしまうぐらいに、もう話はよく知っている。あとはどういう切り口で見せてくれるのか。ポイントは山口プロジェクトマネージャーを演ずる主演の渡辺謙。現実世界では川口氏だったので、またちょっと名前を変えている。イオンエンジン担当の藤中先生(現実では国中氏)は江口洋介、A新聞社科学部女性記者を夏川結衣、その父で町工場のオヤジを山崎努が演じる。事前情報では東映らしい男臭い仕上がりということだが、果たしていかに。

(以下ネタバレ注意)

劇中では渡辺謙演じる山口プロジェクトマネージャーが中心では描かれるものの、主役というほど中心ではなく、群像劇という感じである。それにしても渡辺謙という役者は何をやらせてもすごい。英語も難なくこなす、さすがはハリウッドスター。若い頃は大河ドラマの独眼竜正宗から始まり、ラストサムライ、硫黄島からの手紙、はたまた某携帯のコミカルなCMの「スマホ」役までいろいろ見ているが、外れだった思うことがまるでない。そこに、江口洋介や吉岡秀夫、山崎努らが絡んでいく。笑いを取りにいくようなシーンは見られず、次々とはやぶさを襲うトラブルにいかに闘っていったかを淡々と描いていった。公式サイトでもヒーローではなくリーダーを描こうとしていたと書かれているがまさにそんな感じである。

今更ストーリーを追っても仕方ないので、五月雨式に感想を並べる。A新聞記者のシングルマザー云々という状況、ドロドロしたヒューマンドラマ見せられるのかと思いきや、それほど深入りされず一安心。一方、そのオヤジの山崎努、出てくるたんびにビールを飲んでいるようだが、あれはラガービールなのか、はたまたサッポロ黒ラベルなのか。てっきりラガーだと決めかかっていたが、両方の可能性があるということを後で認識。ちなみにどちらでもないように描かれていたと思う。

はやぶさ本体の画像はCGで描かれているにしてはなぜかシャープ感がなく、ちょっとぼやけた感じに見えた。わざとそういう処理をしたのだろうか。今回も神頼みは出てきたが、「中和神社」ではなく「飛不動」だった。被らなくてよかったね。これも実在のお寺だったとは。吉岡演じるN社(実名で登場)の一社員がイオンエンジンの関係でプロジェクトメンバーに加わっていたが、現実でもそうだったとしたら、これだけもうからない仕事に係わるのを認めたN社は太っ腹だ。

まあ、山崎演じる町工場オヤジのセリフ、「世の中銭金だけじゃねえんだ」というメッセージがこのドラマのポイントの一つだろう。予算を削れ削れの世知辛い昨今、酔狂にどれだけ金を出せるかが夢や希望といったpricelessなものを生み出せるかということにかかってくるのではないかとも考えさせられた。その割には、相模原の宇宙研も内之浦の打ち上げセンターも設備がボロいということを節々に描き出していた。それにしても、イオンエンジンの2人は何であんなにワインばかり飲んでいるのだろう。居酒屋でもワインを飲んでいた。

とまあそこはかとなくツッコミを入れつつも、ロストしたはやぶさを見つけ出すシーン、最後の賭けでクロス回路を使ったイオンエンジン始動を試みるシーンなど、わかっちゃいるのに何度見ても、泣ける。やはり何と言っても現実のシナリオが凄すぎるので、何度見ようが飽きることはないのだろう。3作目も観に行くべ。

コミカルな予告編はあった。

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