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はやぶさ/HAYABUSA

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映画「はやぶさ/HAYABUSA」を梅田のTOHOシネマズで鑑賞した。同じ題材で続々と映画化されているようだが、その一つということになる。いつの間にか上映スケジュールが1日2回しかない状態となっており、しかも小さめのスクリーンだ。それでもこの前に高槻の映画館で観たときの観客数人という状態に比べたら、かなりの客席が埋まっており、やはり映画館はこれぐらいの活気がないと雰囲気が出ない。客層が子供から年配まで幅広いのがいい感じである。

ストーリーはもう知られ尽くしているが、小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワにたどり着き、そのサンプルを地球まで持ち帰ったという人類初の快挙を、それに携わる人々のドキュメンタリータッチのドラマで描いたものである。
(以下ネタバレ注意)

主人公は、竹内結子が演じる、JAXAにアルバイトで入った学生上がりの浪人生だが、これは史実ではない架空の人物である。しかし、プロジェクトの主要メンバーはかなり本物に似せて描かれている。ただ、的田氏は的場氏、川口氏は川渕氏と微妙に名前を変えている。それにしても佐野史郎演じる川渕マネージャーは絶妙に似ていた。

サイエンスの部分も、はやぶさのCGは非常に良くできており、以前観た「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH」と比べても遜色がない。一方で、イオンエンジンがいきなり3つしか稼働していない、最後は1つになってしまうとか、他にもあったいろいろなトラブルをだいぶ割愛している、5つの大きなミッションで500点満点である計画の大前提が何も説明されていないなど、書き切れていない部分もあったが、それをおしなべても元のストーリーがすごすぎるだけに、細かいところはまあ許そうと言う気になった。

人間ドラマの部分は、打ち上げ前の地元漁業者との折衝とか、長いプロジェクトゆえに途中で去って最後まで見届けられない者がいるなど、単なる科学ドキュメンタリーだったら触れられないであろう部分も描かれているのはよかったが、主人公の内面描写やらに入りすぎて若干途中ダレてしまう感じもあった。それでも所々にコメディータッチの要素が入っていて、子供達からも笑い声が上がるようなシーンがあり、堅苦しくなりすぎないための工夫も見て取れた。

いろいろ長短はあったが、おしなべて見れば大満足の作品であった。個人的には、ある物事を、他人が分かるように説明できなければ、それは自分が本当に理解しているとは言えない、といった趣旨の描写については、理系・文系にかかわらず、なるほど深いなと思わされた。

エンドロールで出てくる往年の打ち上げ衛星の数々も、また泣かせる。しかし知っている人工衛星の名前が思ったより少なかったのは、元天文部としては恥ずべきことであった。

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