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中国高速鉄道事故雑感

110731中国浙江省温州市で7月23日に起きた高速鉄道事故は、当初雷と言われていた事故原因が、どうも設計上の致命的な欠陥と、人的な対応ミスが重なった人災である疑いが高まってきている。また、事故原因を覆い隠そうとしている、早急な幕引きを図ろうとしている中国政府当局に、中国国内からも非難の声が上がるという、今までとはちょっと異なる様相を見せている。

そもそも今回の事故自体、今の中国の状況の縮図のような形になっている。急速な経済発展、インフラ整備が進んでいるが、その陰で繰り返される汚職や賄賂、また式典などの政府側の都合に合わせた無茶な突貫工事、それらのしわ寄せとしての手抜き工事、欠陥工事。鉄道技術についても日本をはじめとする先進技術を「コピー」しているが、まねしたのはうわべだけで、それを扱う人員の意識は旧態依然。事故は起こるべきして起きたと言えるだろう。

こうした不名誉な事故をこれまではもみ消してきたのが、さすがに今度ばかりは隠しきれなかったというのが実情だろう。当局がどれだけ言論統制しようとも、これだけインターネットが発達した今、それこそ網からしみ出るように情報は漏れてしまう。「寄らしむべし、知らしむべからず」のやり方が今後どこまで通用するか、この国の政治のあり方が試されることだろう。(ちなみに余談だが、孔子の「寄らしむべし、知らしむべからず」は「民衆は為政者に黙って従え、本当のことは知らせてはいけない」という趣旨かと思っていたが、これは誤解で、正確には「為政者は、人徳を磨き、信頼を得て民衆を導かなければならない。政策や政府の情報を、全て民衆に教え浸透させるのは、大変難しく不可能に近いからだ」という意味であることをこの記事の作成で初めて気がついた。)

さてこの中国の鉄道事故を見て何かに似ていると思ったら、日本の原発政策がまさにこれだということに思い当たった。絶対安全だと言い続け、情報統制とまでは言わないが世論を意図的に誘導し、実際事故が起きたときはひた隠しにしようとする。確かに福島第一原発は地震の衝撃そのものでは壊れず自動停止したようだが、津波に耐える設計になっていなかったという点では中国の高速鉄道と同類と見られても仕方ないだろう。

それにしても、同じ高速鉄道でも日本の新幹線はあれだけの地震でも誰一人死傷者を出すことなく止まり、その後の復旧も驚異的な速さだったのに、原発のお粗末さといったらいかばかりか。同じ国なのにこうも違うのかとあきれるばかりである。ただし、賞賛に値する日本の新幹線も、その設置に当たっては陰で政治的陰謀が渦巻いていたことは中国と大差ないのかもしれない。

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