京都国際マンガミュージアム
いつもすぐそばを通っていながら、なかなか行く機会のなかった京都国際マンガミュージアムに、中途半端に半日余った夏季休暇消化を利用して、初めて訪れた。場所は烏丸御池を上がってすぐのところ、かつてあった龍池小学校が廃校となった跡地を活用して建てられた。かなり古い時期に出来たと思われる西洋風建築の元校舎をうまく活用していて、洒落た建物である。
通常入館料は500円だが、特別展もやっておりそれも合わせて1000円を払って入る。まずは特別展から鑑賞。「フィギュアの系譜」と名付けられた展示は、ごく簡単に言えば、今や一般にも認知されはじめたアニメの精巧なフィギュアも、元をたどれば土偶から始まり、雛人形やリカちゃん人形、超合金ロボやキン肉マン消しゴムに至るまで連なるものだという趣旨であった。
中には某お宝何とかという番組で紹介されそうな昔のブリキのロボットから、古いものだと郷土資料館にあるような土人形から最新のフィギュアまで並んでいて、この切り口もなかなか面白かった。それにしても、ここで採り上げられた「海洋堂」という会社は全然知らなかったのだが、たかが食品のおまけ(「食玩」というらしい)でも驚くほど高いクオリティのフィギュア(アニメに限らず、動物や歴史物まで各種)を作っていたとは知らなんだ。
他にはなぜか紙芝居を行うコーナーがあって、平日なのでごく少数の他の客とともに鑑賞。結構若い兄ちゃんが演じる。単に見せるのでなく、客からの反応、回答を求める展開が多かった。これで気がついたのは、一方的に流れてくる映像を見るだけのテレビと違って、紙芝居はインタラクティブ(双方向)なメディアなのだということ。いや、最近は地上波デジタルになって、ネット線をつなげばインタラクティブだと声高にアピールしているが、何のことはない、ずっと昔からインタラクティブなコミュニケーションが成立していて、テレビがそれを壊していただけのことなのだ。
肝心のマンガの方だが、マンガを学問的に分析した展示があるかと思えば、何万冊もの漫画本がありとあらゆるところに並べられていて、自由に読んで構わないという、博物館なのかマンガ喫茶なのかようわからんような世界が広がっていた。たまたまこの時期は文化庁メディア芸術祭京都展も同時に展示されていて、その受賞作品であるマンガも展示されていたが、これがまた面白い。さすが賞を取っただけのことはあって、舞台設定やストーリー性、キャラクターなどどんどん引き込まれていく。そもそも表現方法に絵を使うか文字のみにするかの違いだけであって、マンガも小説も創造物としては同じものなのだという感じがした。
普通に市販されたマンガも、気を引いたものをあれこれとつまみ食いならぬつまみ読みをしていたらあっという間に閉館時間となってしまった。ほんとうにマンガ好きな人なら年間パスポートを入手してもいいかもしれない。海外のマンガ、外国語に翻訳された日本のマンガもいくらかあって、来館者のうち外国人の比率もかなり高いのがまた特徴的であった。
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コメント
「もやしもん」読みなはれ~
そういえば何曜日か忘れたけど夜中に実写版も
放送してるみたい。
けど、漫画版のほうが面白いです。
酒好き夫婦にはオススメ(笑)
投稿: いもうと | 2010/09/10 15:46
おー、そういえばもやしもんも置いていたな。でも見つけたのがほんとに閉館間際だったので読む時間なかったわ。ですが、ここはあくまで博物館であってマンガ喫茶ではないのでお間違えなきよう。
投稿: くりりん | 2010/09/10 22:42