オカエリナサイ
報じられているところによれば、13日深夜、小惑星探査機「はやぶさ」は地球に帰還したとのこと。カプセルをオーストラリアの砂漠に着地させ、本体は大気圏突入に伴い、燃え尽きて流れ星となった。
詳しい解説は各所に載っているだろうからそちらに譲るとして、とにかく、お帰りなさい、よくやったと声をかけてやりたくなる快挙である。
今回のミッションで特筆すべき点は、(1)イオンエンジンという非常に燃費効率の良い(その代わり推進力は弱い)新型エンジンによる宇宙空間航行、(2)衛星自身が画像などの情報を元に自律的な小惑星への着地・離脱、(3)小惑星の岩石採取、(4)採取した試料を地球へ持ち帰る、と、どれか一つだけでも成功すれば素晴らしい成果であるところ、すでに(4)のギリギリのところまでほぼ成功しているということである。
しかも、エンジンの故障、通信途絶など数々のトラブルに見舞われ、とっくの昔に失敗していてもおかしくないような絶望的状況を、不屈の精神で切り抜けてきた。この辺は昨年上映された「HAYABUSA -BACK TO THE EARTH」で詳細に描かれているところである。ちなみにこの映像もDVDで発売されるそうだ。
さてオーストラリアに着地したカプセルは、現時点の情報では特段の損傷もなく健在とのこと。その中に小惑星のかけらが採取できているかどうかは微妙だそうだが、これでもし入っているようなら、ミッションは「500%の成功」だそうだ。結果を楽しみにしたいところである。
それにしても、これだけの成功を納めたはやぶさ計画だが、続編は例の事業仕分けによって予算削減の憂き目に遭っており、継続が危ぶまれているとは皮肉なものである。こうした素晴らしい成果を挙げたものには惜しみなく予算を与えるぐらいの懐の深さを政治にも求めたいところ。
(くりりんの問わず語り「HAYABUSA」にトラックバック)
おまけのトリビュート動画はこちら。誰かこんなの作るだろうとは思っていたが。この記事のタイトルはこれに由来するもの。わかる人にはわかる。
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コメント
元天文クラブ員としては、たまらないでしょうね。私ですらわくわくです。
投稿: 針小路 | 2010/06/14 14:36
どうもです。
ほんと、すごいですよねぇ。
イカロスのほうも現時点では順調のようですし、JAXAもいいこと続きです。
予算の方は、わけのわからん天下り役人を何とかして、実質の実験の方にお金が回るといいですね。
投稿: ひらの | 2010/06/16 21:38
今頃になってのコメント返し。
残念ながら、カプセルには大きなかけらは入っていなかったようですね。これで500点満点はなくなりました。
投稿: くりりん | 2010/06/29 17:39