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ハッピーフライト

2008年秋に公開された映画「ハッピーフライト」だが、たまたま先日地上波で放送されたのを録画しておいて、遅ればせながら観た。うーん、実に面白い。

舞台は、羽田空港とB747-400。機長昇格試験に臨む副操縦士、国際線初デビューの新人CAをはじめ、その他グランドスタッフや整備士、航空管制官、ディスパッチャなど、ヒコーキに関わるありとあらゆるスタッフが、ホノルル行きチャーター便を巡るドタバタコメディの中で生き生きと描かれている。

(以下ネタバレ注意)

羽田発ホノルル行きチャーター便、このフライトで機長昇格の合否が決まる副操縦士は、当初、温厚な機長が教官となるはずだったのが風邪で交替となり、厳格な機長に変わってしまい緊張でガチガチ。一方、機材の修理をどこまでやるのか微妙なところで、若い整備士は短時間での部品交換を敢行。しかし、後に予定時刻をオーバーしたことで怒られることに。

CAは今回が国際線初デビュー、しかしいきなりブリーフィングに遅れてしまい、鬼のチーフパーサーから大目玉を食らう。グランドスタッフは、オーバーブッキングが出た分を、ファーストクラス・ビジネスクラスに付け替えて何とか取り繕ったり、飛行機怖いとダダをこねる客を何とか機内に押し込むなどの苦労を重ねる。かつては切れ者だったOCCのディレクターは、昼行灯のように社会科見学の児童を案内する。

そんなこんなでバタバタしつつも、何とかオンタイムで離陸したB747-400だったが、離陸直後バードストライクに遭う。幸い、異常は見つからず、飛行を続行。機内ではCA達の戦場のような客対応が始まるが、新人CAは大チョンボをかまして職務から外される。

後はホノルルまで一直線、のはずが、飛行中に突然速度計が機能しなくなる。離陸時のバードストライクの影響でピトー管が破損したのだ。747はエマージェンシーを宣言し、羽田へ引き返すことに。ところが、離陸時接近していた台風が今や関東付近を通過中で、悪天候の中をアプローチして着陸しなければならない。さらに運の悪いことに機長が手を負傷してしまい操縦ができない。ここで、地上ではOCCディレクターがフル回転して事態の打開を図る。頼りなげだった副操縦士は、奇跡的な操縦で機体を滑走路へ向かわせていった。

あらすじを示せばこんな感じだが、シーンの一つ一つに、さもありなんというリアルな描写がある。そしてある時はキムタク主演のドラマ「GoodLuck」のような、またあるときは石森章太郎の「HOTEL」のような、さらにはフライトシミュレーションゲーム「Landing High Japan」、もっとマニアックに「ぼくは航空管制官」を知っている向きは思わずニヤリとしてしまうようなテイストが満載である。監督矢口史靖氏の手腕、お見事。

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