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日本農村情報システム協会はなぜ叩かれないか

以前に漢検((財)漢字能力検定協会)に関する記事を書いたが、これにも負けず劣らず注意すべき問題が生じている。、農林水産省・総務省・経済産業省が共管の社団法人日本農村情報システム協会である。

この法人は、自身のHPによれば「農林漁業・農山漁村に関する情報システムの健全な普及と高度な活用を図ることにより、農業等地域産業の振興、地域住民の生活文化の向上及び農山漁村における定住条件の整備を促進し、もって活力のある地域農業等の発展と高福祉農山漁村の建設に資すること」を目的としているそうだが、報道されているところによれば、市町村から防災無線の設計などを請け負うものの、そのほとんどを法人の副理事長が作っている任意団体「情報システム技術会議」に丸投げし、言われるがままに委託料を払い続け、基本財産の4億円余りを違法に取り崩すばかりか、さらには6億円余りの債務超過に陥ってしまい、公益法人としては異例の自己破産という事態になってしまった。

この法人の財産の元手や事業委託費などは元をただせば税金であり、漢検の場合よりもさらに問題ではないかと思われるにもかかわらず、拍子抜けするほどに報道されない。漢検の前理事長父子がつるし上げの如くメディアの取材を受けて結局は逮捕に至ったのに、日本農村情報システム協会に至っては当の副理事長の実名すら報道されないという奇妙な対照を見せている。まあネットで調べれば通産省から天下っているS副理事長だとバレバレなんだが。

この違いはいったいなんだろう。任意団体に流れた何十億円という金はどこでどう使われたのか。もっと徹底的に掘り下げた報道がなされてもいいはずなのに、マスコミは誰も追いかけようとしない。暴けば暴くほど、政界・官界にとって「不都合な真実」がいっぱい埋もれているんだろうと疑われても仕方のないような状況だ。

ここで以前は保留としていた論点を持ち出すが、公務員の人事制度の問題としてこうした天下り法人がはびこるということに触れないわけにはいかないだろう。めでたく国家公務員Ⅰ種、いわゆる「キャリア官僚」に採用されたとしても、定年まで勤められる人はごく少ない。厳しい出世競争を勝ち抜いて残れる管理職ポストが少ないからだ。最終的な勝利者である事務次官までたどり着くのは、同期で採用されたキャリアの中でたった1人いるかいないか。まるでサケやウミガメの卵が大人になって戻って産卵できるかぐらいのスケールだ。そこまで残れなかった官僚はどうなるか。それの受け皿が天下り法人となるのだ。

公益法人に限ったわけではなく、特殊法人、独立行政法人や建前上民間会社等の形を取りながらも実質は国が丸抱えの会社など、ありとあらゆる形態の法人がその受け皿となっているのだ。さらにいうと、キャリアは若い頃薄給でこき使われる。民間であれば高給でないと迎えられないような優秀な人材を、消耗品の如く使いたおすのである。その見返りとして、天下った先ではたんまりと報酬をもらい、それまでの苦労を取り戻すのである。逆に言うとその保障があるからこそ薄給にも耐えて頑張れる、という構造が綿々と受け継がれてきた。まあこれはバブル崩壊前の銀行でも見られた構図だとは思うが。

この構造を改めない限り、官僚はあらゆる手を尽くして、将来のメシの種になるような何かの法律や制度プラスそれに関連する法人を作り置くことをやめないだろう。「先ず隗より始めよ」との故事が思い起こされる話ではある。

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