« HAYABUSA | トップページ | 部分日食、敗北 »

選挙を10倍楽しく見る方法

いよいよ、というか、ようやく、本日衆議院は解散となり、8月18日に公示、8月30日に投票となった。衆議院任期満了まであとわずか、解散しようがしまいが時期的に大差ない状態で、ほとんど麻生首相のメンツを保つためだけに解散したようなものである。後の歴史でこの解散は何と呼ばれるのであろうか。「先送り解散」「破れかぶれ解散」あたりになるのだろうか。

さて今回は、選挙の投票について、成人以来これまで一度も投票を棄権したことがないこの私が、「選挙を10倍楽しく見る方法」と銘打って、これまで投票などしたことがない人でも投票を楽しめるようなヒントをいくつか掲げたいと思う。毎回きちんと投票しているであろう見識高い本ブログ読者には釈迦に説法となってしまうことを予めお詫びしておく。

(1)期日前投票はカンタンだ
かつて、投票日に用事があって投票に行けない人のために「不在者投票」という制度があったが、投票日当日に行けない理由をかなり具体的に詳しく書かねばならず、また投票の際二重に封筒に入れて投票する必要がある、さらには開票時に不在者投票分が忘れ去られる事故がたまに起きるなど、相当使い勝手の悪いものであった。だが6年ほど前から制度が変わり、当日投票できない理由が「レジャーのため」といったアバウトな理由でも投票ができるようになり、また投票時は普通の時と同じように投票用紙をそのまま投票箱に入れるだけでOKとなるなど、かなり改善された。投票するつもりはあるんだが当日急に用事が入って行けなくなるような可能性のある人は、さっさと期日前投票を済ませて安心して投票日を迎えるというのも一つの手だ。自治体によって対応はまちまちだが、結構遅くまで受け付けているところもあるようだし、当該市町村の中心部で一括して受けているはずなので、不便な場所ということはないだろう。

(2)2位予想はいかが
そもそも誰か投票したい候補者がいる、という人に対してはこの記事は意味がない。いるならその人に投票すればよいからだ。よくある悩み・ボヤキとして、投票するにも誰に投票したらよいかわからない、誰もいいとは思わない、というケースである。このために多くの人が棄権してしまうのだが、ここで一つゲーム感覚で予想をしてほしいのだ。すなわち、2位でギリギリで落選してしまいそうな候補に投票するということだ。誰もいいとは思わないというケースで、自分が投票した人が当選してしまうのは不本意だろう。だからこそ2位で落ちてしまいそうな候補者を予想し、それを当てなければならないのである。このためには、自分の選挙区の情勢がどうなっているかをよく知る必要がある。かつての中選挙区制の時は、定数プラス1番目の得票になりそうな人を選ぶという大変難しいゲームだったのだが、小選挙区になってからは2位でよいのでだいぶやりやすいはずだ。ただ、一つ気を付けなければならないのは、その候補者が比例区でも重複立候補していると、選挙区で落ちても比例区で復活当選と言うことがあり得るので、自分の投票した人が絶対当選してほしくない場合は3位(三つ巴の接戦の場合はこれでも当選の可能性があるが)の候補を予想する必要がある。

(3)選挙区と比例区をひねってみよう
今や有権者最大の勢力である無党派層。当然特定の支持政党も支持候補もない。決まっている人はその決まったところに投票するだけのことだが、決まっていないのだから、投票する候補者と比例で投票する政党が一致している必要は全然ない。高度な技として、選挙区の当選者に投票かつ比例復活当選者の政党に投票(しかも両者は不一致)という、選挙区・比例区2票有効活用を狙うというお遊びもある。なお最近は政党名だけでなく比例区の候補者の名前という投票もできるのでややこしさ倍増だが。(※追記:これは参議院の比例区、非拘束名簿方式の場合の話。今回の衆議院選挙では拘束名簿方式のため、政党名のみを記載する。)

(4)最後の手段、白票投票
以上のどれをもってしても、誰一人の候補者も、どの政党も一切書きたくない、という場合、最悪の事態ではあるが白票を投票するというのも一つの抗議行動としてありだと思う。選挙結果に関して言えば、投票を棄権することと白票を投票することには全く変わりはないのだが、白票であっても投票率にはカウントされるのである。つまり、投票率は高かったのに白票が多かった、という事態にでもなれば、そこの候補者・政党全員に対してお前らはどれもダメなんじゃ、という罵声を浴びせたという意味が出てくるであろう。もし投票自体を棄権してしまえば、政治に全くの関心がない、せっかく与えられた国民の権利をみすみす放棄する大馬鹿者と同じ扱いになってしまうのだが、白票ならそれとは違うことを示せる。思うに、投票率が70%にも届かないような選挙は、有権者自体が議会制民主主義の有権者たる資格がないのではないかと個人的には思っている。そんな奴らは中世封建時代の農奴となって領主に好きなように弄ばれていればよいのだ。

(5)上級者コース、最高裁判所裁判官国民審査
衆議院選挙と同時に行われるのが、最高裁判所裁判官国民審査なのだが、あまりにもマイナーな制度であるためほとんどわけのわからぬまま白票を投じるだけの人も多いかもしれないが、もし投票上級者を目指すなら最高裁判所裁判官国民審査もチャレンジすべきだろう。まず投票方法そのもののおさらいだが、ここでの投票方法は辞めさせたい最高裁判所裁判官の名前の上に「×」を書くことである。マルを書いたりその他余計なことを書くと無効になってしまう。何も書かなかった裁判官については信任した、ということである。どの裁判官がどんな人物かよくわからない、というのは確かに悩みの種で、かつては新聞に折り込まれる候補者・政党と一緒にある裁判官紹介の印刷物を見るぐらいしか手段がなかったのだが、近年はインターネットで様々な情報を得ることができる。まだ今のところ最新の情報で全裁判官をまとめたサイトは見あたらないが、そのうちいろいろできるだろう。中には特定の裁判官に×を書くよう呼びかけるサイトもあるが、そのあたりは自分で情報の内容をよく確認のうえ自らの良心に従って判断すればよい。こうした下調べが面倒な人には、とりあえず全部×を書く、というのも一つの手ではある。それから、注意が必要なのはどの裁判官に×するのかは手元にメモを持って投票する方がいいだろう。衆議院選挙と違って裁判官の名前など投票所では忘れてしまう可能性がある。また、期日前投票する場合の注意として、衆議院選挙の期日前投票ができても国民審査の投票ができない期間があるので、両方いっぺんに済ませたい人は期日前投票期間開始直後は避けるべきである。

(6)最後の〆は選挙特番
投票日の夜は各テレビ局が選挙特番を放送する。投票した人は是非これを見て楽しんでもらいたい。自分が投票した候補がギリギリ2位で落選するのをドキドキしながら待つ、各チャンネルを渡り歩きながら当確者数の違いを楽しむ、など実にエンターテイメント性の高い番組だと認識してもらいたいものだ。また、いつもニュースで出てくるあの大臣、あの議員はここの選挙区だったのか、とか、ここの選挙区ではこんな争点があったのか、といったこれまで知らなかったこともわかることがある。

以上長文となったが、これまで投票したことがない人も一度は投票してみたら面白い発見があるかもしれない。何と言ってもタダなんだから。
さあ、投票へ行こう。

|

« HAYABUSA | トップページ | 部分日食、敗北 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

こんばんはー!o(*^▽^*)o
裁判官の選任方法には、毎回疑問を感じています。全てにおいて、意味が分かりません。笑

投稿: LaLa | 2009/07/22 03:30

どうもです。

そうですか、白票は投票率に含まれるのでしたか。

わたしゃ、期日前にやってしまうことが多いのですが(って法律改正されてからですけど)上京区は期日前投票はどこでやってるんだろ?
調べてみなくては。。。

投稿: ひらの | 2009/07/22 23:04

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 選挙を10倍楽しく見る方法:

» ネット上の選挙活動を解禁せよ [くりりんの問わず語り]
いよいよ昨日から衆議院総選挙が公示され、8/30までの熱き選挙戦が開始されたわけだが、選挙期間に入るとネット上では奇妙な [続きを読む]

受信: 2009/08/19 21:49

« HAYABUSA | トップページ | 部分日食、敗北 »