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年金の行方

年金問題については、余りにも酷い事実が露呈する中で、どうコメントしようにも思い浮かばないのが正直なところ。

まず、「宙に浮いた年金」、「消えた年金」問題については、首相は1年間で決着と気勢を上げているようだが、まず無理だろう。あらゆるデータベースでも最も困難な作業の一つが「名寄せ」であるのに、その名寄せし損なったものが5000万件もあっては、一部解消はできても完全な掃討はできないだろう。

ちなみに自分も以前に社保庁からお尋ねの書類が届き、それに答えて学生時代に払った2年間分の国民保険を統合できたということがあった。これがなかったら20万円ほどは未納扱いにされていたところだ。

今後の年金のあり方は、保険方式から税方式に切り替えるしかないのではないか。たとえ皆がきちんと払って記録できていたとしても、もはやお年寄りの払い込んだ分では足りずに、若い人が納めた保険料を充てているという状態なのだ。これは自分がもらう年金は自分がこれまで積み立てた分という保険方式の建前が既に破綻しているにほかならない。

25年という長期間保険料納付をしないと受給資格もないというのは諸外国に比べても異様に長い。取れるだけ取り立てておいて、ろくに記録もしていなかったのだから、この際年金は、裕福な人、若い人からお年寄りへの寄付をするものだという方針の大転換を図るしかないのではなかろうか。

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