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硫黄島からの手紙

たまたま指揮官が同姓だから、というだけでは動機として不純だが、映画「硫黄島からの手紙」を観に行った。












正直非常に重たい内容だった。戦争映画の部類に入るのかも知れないが、派手なドンパチというよりも、それぞれの登場人物が描く人間模様のドキュメンタリーというべきものだろう。前回観た日本沈没ではアチャーと思う場面が多々あったが、今回の映画は重厚な演技の連続で、ただただ見入るのみ。「ラストサムライ」渡辺謙はもちろんのこと、伊原剛志のバロン西も秀逸。

惜しむらくは、これだけ合理的、理性的な判断の出来る将校が、中将止まりで、しかも戦略上捨て石となる地へ送られてしまうという人事制度のどうしようもない欠陥だろう。もちろん国力、総合力からしてももともと勝ち目のなかった戦ではあるが、こうした人使いの下手さも、負けるべくして負けた一つの大きな要因であろう。

それにしても、60年以上前2万人もの命を犠牲にして守ろうとしたこの国の今の有り様、亡くなった彼らが見たら何と思うであろうか。また、当時と大して変わらぬドンパチがイラクを始め今もこの世界のどこかで繰り広げられているということも。

#ちなみに、指揮官閣下の御子息は私と同姓同名(!)。こちらは名前負けしててただただ恥じ入るのみ。

とにかくいろいろ考えさせられる作品であった。

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コメント

くりりんさん、本年もこのブログを日々拝読させて頂きました。来年も楽しみにしております。賀状アップも楽しみです。

さて「硫黄島」。重たい作品でしたか。ならば見てみようかと思います。どうも最近の戦記物の映画は、男女愛とかそんな要素を組み込むものが多く、興ざめして、見る気もなかったのです。

栗林中将については、私も特に想いが強く、あの溺愛された末っ子の娘様にもお会いしたことがあります(数年前、ご逝去)。

戦後の今の状況に思うこと、まさにくりりんさんに同感です。

来年もよろしくお願いします。市民大会.長野は出られますか?

投稿: 高橋 | 2006/12/31 08:44

高橋さん、コメントありがとうございます。

はっきり言ってこの映画に娯楽性を求めてはいけません。見ていてスカッとすることは決してないです。でもそれはつまらないというわけではなく、それを見て自分はどう思うのかと突きつけられる良質なドキュメンタリーと言うべきでしょう。

年賀状はここだけの話、既に最新版アップ済みです。来年長野も行きますのでまたよろしくお願いします。

投稿: くりりん | 2006/12/31 21:19

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