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皇位継承権

首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」において、皇位継承権を「男系限定」から「長子優先」、すなわち女性天皇や女系での継承も認めるべしという報告書を出して、賛否両論渦巻いているところである。

つまり、今までのルールは必ず天皇の息子が跡を継ぐ(男の子がいない場合は遡って弟、従兄弟…と、先代・先々代…の天皇から男の子だけをたどって血を受け継ぐ者が順次対象)としていたものを、男女に関わらず一番目に産まれた子が天皇の跡を継ぐ、というルールに変えたらどうかと提案が出たわけだ。

この意見に猛反対している人達も多い。何せ日本建国以来二千六百ウン十年間、125代にわたって「万世一系」で男子が受け継いできた(と言われる)天皇家の伝統を、ここで断ち切ってしまうことになるのだから。

しかし、この万世一系の伝統というのは、科学的には甚だ疑わしい。2600年も前となれば邪馬台国の卑弥呼よりもさらに昔、文字すらない時代に、特定の家系が男系で受け継がれたと証明することはほぼ不可能だ。実際、史実には何も書かれておらず、後付けの神話だけが根拠、という心許ない状況だ。さらに、大和王朝が確立する5世紀頃の古墳時代でも、各地の豪族(おそらく天皇家もその一つ)が激しく勢力争いを行っており、おそらくは大王(オオキミ)の地位が簒奪されたことも十分考えられる。…と、このようなことを戦前戦中に言おうものなら不敬としてブチ込まれたそうだが。

従って、少なくとも信用に足る記録が残るようになった時代以降(南北朝時代も怪しいのでそれ以降か?)の皇統については、男系の伝統が貫かれている、といえる程度だろう。それも、途中で血が絶えかけて、かなり遠縁の傍系子孫を無理矢理引っ張ってきたこともあるだろう。

つまり、万世一系男系を絶対維持したいというのは、伝統(…まあ数百年も続いていれば伝統と認めてもいいのかもしれないが)というよりも、信念(2665年前から天皇家は万世一系続いているのだ、そうでないことなど信じない!認めない!キーッ!!と思うかどうか)の問題なのだ。少なくとも科学ではない。

では実際どうすればいいのだろうか。現に、今の制度を維持するのであれば、年齢順で行けば秋篠宮を最後に天皇家断絶、となってしまう。廃絶した旧宮家を復活させるという考えもあるようだが、江戸時代ぐらいから傍系に行ってしまった遠い血筋を今更引き戻して、どれほどありがたみがあるのかというのも考え物だ。

そもそも、神話を信じるなら、日本国民はすべてイザナギとイザナミの子孫ではないのか。だったら誰が天皇になってもいいように思われるが。それとも、いっそのこと男系継承にこだわって、その後、断絶したので天皇制を止めます、という大胆なやり方もありかもしれない。第二次世界大戦の敗戦時にも一度天皇制廃止の議論があったわけだから。

それにしても、日本国の象徴である天皇家が、日本で問題となっている晩婚化・少子化をも見事に象徴してしまっているというのは、実に皮肉な話だ。

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