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またしてもアルカイダ

ヨルダンの首都アンマンで先日起きた同時自爆テロ、犯人はまたしてもアルカイダの一味のようだ。

以前ロンドンのテロの際にも書いたが、既に彼らの行為は、アフガンやイラクなど踏みにじられたイスラムの地を回復するためという大義名分を失ってしまっている。今回も犠牲者の大部分が同胞であるはずの地元ヨルダン人。イスラム原理主義者の中ですら、こうした行動に疑問を覚える者が出てきてもおかしくはないだろう。

9.11の米国同時多発テロに際して思ったとおり、アルカイダは「憎き侵略者・米国を追い払う正義の味方」ではなく、単に世の行く末に絶望し、腹立ち紛れに無関係の市民を巻き込んで自殺するだけの「その存在自体が自爆テロのような厄介者」であることをますます明らかにしつつある。

問題なのは、喜び勇んでこうした自爆テロに身を捧げる人々が数多くいるということだ。一番の原因は貧困。貧しい暮らし、生きていても何の喜びもない。そんな将来に絶望した人々にとって、アルカイダの囁きは甘く感じてしまうのだろう。

貧困を撲滅すれば、かなりの自爆テロは防げるに違いない。なぜなら、米国の侵入を快く思わず、影でこっそりアルカイダに資金供与しているアラブの富豪はいるかも知れないが、彼らは決して自ら爆弾を抱えて突入はしないからだ。アルカイダ幹部も同様。敵は宗教の対立でも文明の対立でもなく、ひとえに貧困に端を発する「絶望」である。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

本説が正しい場合、敵は本当に「貧困に端を発する『絶望』」でしょうか。アラブの富豪やアルカイダの幹部は無学な貧困層に何を囁いているのか。

最終的な収奪構造が「後進国→先進国」の流れであることは今のところ変革しようもないんですが、貧困層を直接収奪しているのは米帝やら日帝やらじゃなく、現地の富豪層。彼らが資本主義列強の尖兵として苛烈に搾取し、それを国外で派手にバラまいてしまっている。一方でその富豪層は自らが資本主義社会の上層に上り詰めようと、あの手この手を必死に画策している。

そんな矛盾した戦略を採らざるを得ないポジションの存在こそが、敵ではなかろうかと。

投稿: Jan | 2005/11/13 10:04

Janさんコメントありがとうございます。
貧困層(さらにいえば絶望層か)に吹き込む内容、古き例えで言えば戦国時代の一向宗のそれに似て、最近の例で言えばオウム真理教が、社会の矛盾に耐えきれなかったエリート層を引き込んだようなものに似ているのではないかと推察します。
貧困は誰が搾取しているから、ということよりも、貧困が原因となって未来に絶望することが問題なのではないかと。フランスでもそれで厄介なことになっているようです。
ちなみにこの国でニートと言われる層も、未来に絶望しているのではないかと思われます。ただ、貧困ではないので、他人を巻き込んで自爆テロ、ではなく、自分の内側に向かって爆縮して「引きこもり」という姿を取っているのではないでしょうか。

投稿: くりりん | 2005/11/13 21:41

つまり何が言いたいのかというと、アラブで貧困にあえぐ人民の敵は、まず富豪層であり、また反政府(?)武装グループであるということ。

ナセルの頃のエジプトや、近年ではイラン・イスラム革命にすらまだ期待できた面はあったけど、タリバンもアルカイダも眼を覆うばかりの俗悪。アルカイダなんてCIA陰謀説をむしろ信じたいくらい。

投稿: Jan | 2005/11/13 21:48

先のコメントに補足。
絶望することが問題であって、たまたまその原因が貧困である、という趣旨です。だから、たとえ貧困であっても絶望していなければ自爆テロには走らないでしょう。今映画で公開されているようですが、昭和30年代の日本なんかもまさにそうですし、キューバがあれだけ貧困にあえぎながら保っているのは、カリビアンの陽気な性格に助けられているところが大きいのではないかと思います。
では北朝鮮の人民は絶望していないのですかねえ。そうか、あれは国全体が一向宗みたいなものだからそういう発想自体が生まれてこないのかもしれません(爆)。

投稿: くりりん | 2005/11/13 21:55

コメント入れ違いになってしまったようで失礼しました。
アルカイダの真相は私もわかりませんが、イラクのフセイン政権なんぞはまさに米国のマッチポンプで、飼い犬に手を噛まれたので怒って殴り殺した感じでしたね。
アルカイダも、本来はアフガンに侵攻したソ連を叩くために、直接は手を下せないので手先として使った、というような話は聞いたことがあります。

投稿: くりりん | 2005/11/13 22:04

いえいえ。せっかくなので、もう少し。

絶望は奈辺から訪れるのか。絶望と自爆テロをつなぐものは何か。

治安こそ最悪評価を受けているはずですが、イラクはなお最貧国ではなかったはず。サヘルや東アフリカといったエリアでも、日々食べるものに困り、皆が未来に絶望しているけれど、自爆テロで破壊して回るということはない。エリトリアなど建国の希望に燃えて…というところではないでしょうか。
http://www.developmentforum.org/africa_tsuushin/006.htm

だから絶望即自爆テロなんかじゃないはず。誰かがあるいは何かがそれを繋いでる。

フランスの暴動はヒントになりそうですね。貧困の近くに富裕がある。情報発信源は多い中、受け取って処理する側は理性的に解するに十分な教育を受けていない。

一連のテロの実行犯(加害者)、被害者以外に、直接見えないところに本当の受益者がいるということが、ともかく許せないものです。

投稿: Jan | 2005/11/13 22:17

Janは今、ご案内の通り、ベトナムの首都ハノイに住んでます。所用や観光でたまに地方にも足を向けます。経済成長の始まった首都ハノイと異なり、地方はまだ恩恵を十分に受けておらず、まだ耐乏生活の中にあると言えます。性向も陽気なカリビアンというより実直なアジア人。だけど暴動もなければ治安も悪くありません。

北の場合は、脱北者が絶えないんですよね。絶望からの逃走。逃走の先には新たな搾取が待つ悲劇。

話は変わりますが、ニート即引きこもり、でもありません。引きこもり(あるいは予備軍)の一団もニートに含まれてはいますが。

ニート問題全般を重大そうに語る昨今の風情には感心しません。以前は嫁入り前の女性のみが「家事手伝い」を名乗って実質ニートだったのですが、その頃は問題視してませんでした。男女雇用機会均等法うんぬんでニートあるいは「家事手伝い」の性差の壁が取り払われつつあると看做せば、推進してきた行政もマスコミも、むしろ諸手で歓迎のはずですが(←7割くらい冗談のつもりです)。

引きこもり問題も、家庭教育で人間関係のつらさを十分に教えられなくなった落第家族が増えてきただけのことではと。

もっとも住宅着工件数指標の維持や都市労働力の確保など、経済発展を優先するために、日本旧来の家族制度を壊してきた戦後(少し慎重に言えば1940年体制以降)の諸政策を、そろそろ転換してほしいとも思っています。

経済発展も大切でしょうが、日本人が生きていくうえでの生活の知恵を申し送りする場も人間関係を構築していく環境も失い、地域社会のつながりがなくなることで治安コストも上昇し…、バランスをとるために舵を切る必要が、ここらで必要と感じています。

投稿: Jan | 2005/11/13 22:33

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