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アルカイダの意図は奈辺にありや

サミット開催の裏を掻いたロンドンでの同時多発テロ。五輪開催決定の歓喜から一転、恐怖のどん底に落とされて、まさに天国から地獄の思いだろう。まだ犯人が誰かは明らかになっていないが、アルカイダ、あるいはそれに近い勢力の犯行と見るのが妥当と思われる。

それにしても、だ。2001年の米国同時多発テロでも言ったことだが、こうしたテロ行為により、アフガンやイラクなどに平和が取り戻せると、アルカイダやそのシンパは本気で思っているだろうか。こうしたテロ行為の繰り返しが、ますます国際世論の同情を遠ざけ、それなら米英に平定される方がまだまし、という論調を助長しかねない。

やはり、米英とその取り巻きの「十字軍」に占領されたイスラムの地を取り戻すということよりも、混乱と恐怖が渦巻く不安定な状態が続くことが真の狙いであろう。そうした不安定な状態にあるからこそ、彼らの存在し得る隙間があるのであり、誰が取り仕切るのかはさておき、平和で安定した秩序が出来てしまえば、彼らの居場所は無くなってしまうのである。

もっとも、確かに最初は大義名分はあったのかもしれないが、圧倒的少数勢力の哀しさ、過激な行動に走ることで大多数の平穏を望む人々の支持を失い、数を減らしながらもわずかに残る熱狂的な支持者が行動をますます先鋭化させることの繰り返し。かつて日本にもあった赤軍派等の末路にも似たような部分はなかったか。

ただ、困ったことにこうした混乱を招いたそもそもの原因が、中東から圧制を排し和平をもたらすという大義名分を掲げながら、その実は利権を狙う発想に基づくイラク戦争を起こした米英側にあるというのもまた皮肉な話だ。このあたりの評価は、後の歴史の教科書ではどのように書かれるのであろうか。

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