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再犯防止へのペナルティと人権

年の瀬も押し迫った頃になって、奈良県の女児誘拐殺人事件の容疑者が逮捕された。聞けば以前にも性犯罪の前科があるということで、今後、諸外国にあるような性犯罪者履歴を公開、追跡する制度が必要だという議論も高まってくるのではないかと思われる。

この手の議論で常に問題となるのは、犯罪抑止の必要性と犯罪者(特にその刑期を終え社会復帰した者)の人権とのジレンマである。ただ、詳しいデータを分析したわけではないが、更正の可能性や再犯率、再犯となった場合のその被害の影響について考えると、特に性犯罪者についての人権はある程度抑圧されるのはやむを得ないのではないかと思われる。

というのも、(特に性的な)犯罪を犯してはならないというのは、刑罰云々以前の問題で「当たり前」なのにもかかわらず、その当たり前のことが理解できないからこそ性犯罪者は犯罪を犯してしまったのであり、その者がたとえ所定の刑罰を経たとしても、その「当たり前」が身に付いたかどうかは甚だ疑問だからである。犯罪前科者がその疑惑を晴らしたいのであれば、相当の期間、たとえ一定程度の監視の元にあっても、堂々とまっとうな社会生活を送ればよいのだ。

それともう一点、行きすぎた競争社会が生み出した「勝ち組」「負け組」の極端な落差も問題の一因であるように思われる。社会の発展、活性化のためにはある程度の健全な競争は必要だとは思うが、今は競争の敗者をあまりにも蔑み過ぎているような気がする。

今回の容疑者の経歴を見ても、(悪い意味で)職が長続きせず、人とのコミニュケーションも下手そうで、ぶっちゃけた話、いわゆる「負け組」と言われても仕方ないような状態だった。だからこそ一連の犯行で異様なまでの自己顕示欲が見られたのだろう。

しかし、むしろ世の中で「勝ち組」でいられるのはごくわずかに過ぎず、ほとんどの人が何らかの不満や負い目を感じながらも生きているわけで、たとえそうであったとしても、楽しく暮らせる、自己実現できる何かを、希望を持っている、そんな世の中にしなければならない。「負け」が込んでいる不遇な人をいじめて追いつめるようでは、新たな犯罪の温床になりかねない。

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