さらばNTTドコモ
3Gまでのフィーチャーフォン、いわゆる「ガラケー(ガラパゴスケータイ)」については、携帯各社が順次3G電波の停波(4G、5Gへの移行)を実施し、既にau(KDDI)及びソフトバンクは移行済み、残るNTTドコモも2026年3月でのサービス終了が決まっており、3Gガラケーをずっと維持し続けてきた自分も、いよいよ残り時間がわずかとなった。
ここまで意固地にガラケーを引っ張ってきた理由は、土壇場になって何かドコモが言ってこないか、具体的には「この端末をタダであげるので、頼むから4G以上のスマホに移行して引き続きドコモを使ってください」と言ってこないかを期待していたのだが、一向にその気配はなく、さらには、個人的こだわりとして、移行する端末を4Gフィーチャーフォン、俗称「ガラホ」にしたいと思っているところ、期限切れギリギリになって入手できなくなるのは避けたい、ということで、まだ9ヶ月程は猶予があったがこの機に移行を決意した。
そうと決めた際に、どの端末にするかを検討するも、検討するまでもなくほとんど選択肢がない、という現実にぶち当たった。で、ほぼこれしかないということで選んだのが京セラのDIGNO KY-42C。ガラケーの2つ折り形状を維持しつつ、4Gに対応したいわゆるガラホだ。本当は災害時のバックアップ的にワンセグがみられる機能が欲しかったのだが、強欲NHKがワンセグケータイでも受信料を取るという判決を取ったせいか、もはや携帯にワンセグが積載されることはなくなって、代わりにFMラジオが付いているようだ。
そして、端末入手にあたっても一波乱。ドコモのオンラインサイトで買おうと思ったが、ネット通販では端末代金一括支払いの選択肢がなく、3年間の分割払いしかない。一方で、ショップに行って買うことも可能でその際は一括払いができるものの、事務手数料として3850円が追加で請求されるとのこと。これって、要は端末代の分割払いを人質にドコモとの通信契約を3年間引っ張らせるか、一括払いですぐ逃げだしそうな奴にはせめて事務手数料をふんだくっておく(あるいは店頭で必死の引き留め工作を行う)という魂胆ではないかと見抜いた。怒り狂った私は、ドコモサイトですら買うことをせず、その辺の通販サイトから白ロムの端末を購入した。正規サイトでは19470円のところ21000円での購入とはなったが、事務手数料を考慮すればこちらの方がまだ安い。
というわけでSIMの刺さっていないガラホだけをまずは入手。ここからの作業は、ひとまずWifiにつないでGmail等が使えるか、だが、これも結構難儀した。標準のメールアプリはドコモメール専用なので使えない。PCメール、という外部のメールを利用するためのアプリがあるが、ここでGmailの情報を設定してもそのままでは使えない。どうやら、Google側でセキュリティ弱めのメールアプリから接続する時用の専用パスワード12ケタの英数字が付与されるようで、それを入力すること、Gmail側ではPOP3でのアクセスを現時点以降は許可にするという設定で何とか見られるようにはなった。
参考までにいま何とか接続できている設定内容をメモしておくと、受信サーバーは「pop.gmail.com」、ポートは「995」、SSL/TLSは「SSL/TLS(証明書をすべて承認)」、送信サーバーは「smtp.gmail.com」、ポート「465」、セキュリティの種類は「SSL/TLS(証明書をすべて承認)」。ユーザ名は送受信いずれもgmailのアドレスと、パスワードもGoogleアカウントサインイン用のものではなく、別途このPOP3メールアクセス用に割り当てられた専用パスワードとなる。
ただし、この環境ではプッシュ通知はされず、何分おきかにサーバに見に行く、という形しか取れない。また、届いたメールを条件付けでフォルダ振り分けもできない。さらには、一度受信して既読になったはずのメールが、あとでまたメール受信ありで未読として表示される謎現象は今のところ解消できていない。
さて、いよいよ次の段階、MVNOのSIMに移転する。だいぶ以前からIIJMioのSIMは利用しており、今でも2台持ちの片方のスマホに刺さっているが、今回はドコモの3GSIMをIIJMioにMNPで移転。免許証などの身分証画像を添付する必要はあるが、すべてWeb経由のみで申請手続きは終了。今やMNP用の符号取得も、ワンストップサービスで移転先申し込み時に同時にできてしまうようだ。
何か直近にドコモで料金プラン値上げがあったようでドコモを脱出しMVNOへ逃避するユーザーが殺到しているためか、申し込み画面には若干日数がかかりますとの注意書きはあったが、1週間後ぐらいにはSIMが届いた。
それで、昔は機種変更の際などに携帯ショップにおいて、携帯会社にFAXを送って開通手続きとかをやった記憶があるが、店頭に行かずにどうやって切り替えるのかと思ったところ、SIMと一緒に開通手続きの手順書が入っており、示されたフリーダイヤルの番号に電話をかけ、移転する電話番号と、新しいSIMの番号を入れたら、10分ほどで旧サービス失効、新サービス側開通となるのだそうだ。機種変更自体10年以上ぶり、MNP移転に至っては初めての経験なので、知らんかった。
そして10分ほど待ったところ、ガラケーの方の通信が「圏外」に変わった。旧サービス失効完了。20年以上使ってきたドコモとようやく縁が切れた。
さらば、NTTドコモ。まあ、あれだけ傍若無人の殿様商売してたら、当然の報いだわな。
そして移行先のDIGNOにIIJのSIMを刺したところ、モバイル通信確立を確認。
なお、注意事項として、DIGNOケータイにはIIJのAPN設定は入っていないので、手動で設定しそれを選ぶ必要がある。そのあたりも渡された紙に書いてあるので落ち着いて実行を。
さらにいうと、IIJのサイトでは、DIGNOケータイは動作保証対象機種のリストには入っていない。今回自分はチャレンジャー(人柱)として敢行し、運良く通話・SMS・モバイル通信とも成功となったが、誰でも絶対うまくいくという保証はないので、ご利用は計画的に。後続のチャレンジャーにとってこの記事が参考となれば幸いである。
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