先月から既に始まっている大阪・関西万博2025に赴く。会場は、大阪湾を埋め立てた人工島・夢洲。
JRと大阪メトロを乗り継いで向かう。中央線は中々の混雑ぶり。入場時間11時の予約で出向いての夢洲駅出口はこんな感じ。
ちなみに、チケットは相方氏の勤め先が協賛企業の一角をなしている関係で一日券が2枚支給され、子供たちには大阪府内在住の子供を対象に1人1枚の一日券が学校経由で支給されるため、うちら家族は誰一人入場料を払っていない。
それと、自分の母が55年ぶりの万博に行きたいということで一緒に連れて行くことに。母は以前から目を患って視野が狭くなっており、既に視覚障害者に分類される状態のため、障害者割引用のチケットを購入。入場時、一般客は手荷物チェックの長蛇の列に並ばねばならないが、障害者随伴の場合は優先レーンがあってさほどの行列待ちもなくすんなり入場できた。
東ゲートから入ってすぐのところに、今回の万博のキャラクターである「ミャクミャク」の像がお出迎え。何とも不気味な見た目であるが、これは赤血球的な細胞と血漿のような液体の組み合わせだと私は考えている。
そもそも今回の万博は「医療万博」と銘打って医クラの祭典となる予定だったと聞いたことがある。ただ、それじゃあんまりだろということでスローガンは「いのちかがやく」に設定されたのだとか。ミャクミャクという名前も、当然「脈」から由来しているのだろう。で、このいでたちは発表当初気持ち悪いと酷評されたが、長らく晒されているうちにそこそこ人気者になっているようだ。

入場したはいいものの、事前に予約が取れたパビリオンは一つもなく、どこにも行く当てがない。まずは腹ごしらえということで、大屋根リングの下で持ち込んだおにぎりを頬張る。ベンチは所々に設置されているものの、ほぼ満席で5人連れが固まっては座れない。そこで、これも持ち込んだ折りたたみ椅子をリングを支える太い柱の周りに配置して座り込む。曇り時々晴れの蒸し暑い気候だったが、日陰で海風が吹き抜けると過ごしやすい。
食べ終わったら、子供らはすぐ近くにあった遊具でひとしきり遊んだ後、大屋根リングの上に上がってみた。エレベータやエスカレータが所々に設置されている。
上がってみて想像と違ったのは、単なるウッドデッキのみではなく、競輪場のバンクのように斜面が連なっていて、斜面の部分には一面の草花が植わっていたことである。
大屋根リングは、会場全体を取り囲うようにぐるっと一周2kmほどの円を描いている。
ここで次男坊が突然ここを一周走ってみたいというものだから、やれるものならやってみな、ということで送り出す。子供には位置情報を調べる用のタグを持たせており、3分おきぐらいで所在地を地図上にプロットして見ることができる。徐々に円周の先へ進んでいるのが分かり、15分程で元の場所に無事帰ってきた。

大屋根リングから会場中心方向の見た目はこんな感じ。特徴ある形状をした海外のパビリオンもいくつか見受けられる。
予約無しでも立ち寄れるところに行ってみようということで、「いのちの遊び場 クラゲ館」を訪問。なんかケッタイな楽器がいくつか置かれて子供らが鳴らしたり、寄せ書きを掲げていくようなコーナもあった。
まあ、すぐ入れるようなところはこんなもんか。何かのワークショップのようなものもやっていたが、こちらは事前予約要のものらしい。
ミャクミャクデザインカラーの遊具(というか小山)があるところでまた次男坊が遊ぶ。
向こうに「コモンズ」と書かれたパビリオンがあるが、これは「コモンズ館」というもので、外国単体ではパビリオンを作れない小国が、広い館内に各国のブースを展開していくというもので、これは事前予約なしで見学できる。
それで、国によってはスタンプコーナーが設けられていて、その国の名前などが書かれたスタンプを台帳に押すことができる。その台帳自体も万博公式の売り物としてあるらしいが、SNSで先行した利用者の書き込みによれば、期限が切れたパスポートの入出国ビザスタンプ欄に押していくのが、海外に行ったっぽくて楽しいというTipsを聞いていたので、パスポートを持参していた。確かにその雰囲気が似ており、コモンズ館なら一気にたくさんの国のスタンプを押せる。
プチ外国巡りも、子供らがもう疲れた帰りたいと言い出したので、再び休憩。会場内に電気バスが留め置かれ、休憩所として開放されている。
中はエアコンが効いていて涼しい。電気駆動だからバス特有のディーゼル臭さもない。スマホ充電用のポートもいくつか車内に設けられていた。韓国・ヒュンダイ製のバスで、運転席も座る体験用に開放されており、運転士の帽子も貸してくれて撮影もしてくれた。今回の万博訪問唯一の自分が写った画像がこれ。

子供らはもう帰りたいモードに入ってしまったので、帰路につきつつ通りがかったのがイタリア館。今回の万博で最も高い評判を得ているそうで、何とあの有名な宇宙を担ぐアトラス像の本物を本国からこの会場に運んでおり、間近で見られるのだそうだ。事前予約の抽選でトライしたが当然落選している。
通りがかった際は館の前でフェンシングの試合を披露していた。
最後にあと一箇所だけ寄らせてくれと自分がわがままを言ったのが、コモンズBのパビリオン。
子供らはもう中には入らないということで私単独で潜入。
チェックしたかったのは、ナウル。オーストラリアの北方にあるオセアニアの小さな島国。この国の日本事務所のX(旧Twitter)アカウントが、なぜか超絶大な人気を誇っており、フォロワー数はナウルの総人口をはるかに上回っている。
ナウルは、かつては大量に堆積した鳥の糞がリン鉱石となって輸出し儲かっていたのだが、取り尽くして枯渇してしまい貧しい国に転落というなかなかにロックな経過をたどっている国である。あのXアカウントが無ければここまで注目されることはなかっただろう。
そしてさしたる展示品も無い中でひときわ異彩を放つのが、この白い楕円のテーブル。何かをこの上に展示するつもりだったわけではないそうである。
私の解釈では、このテーブルはナウルそのものを象徴しているのだと思う。かつてリン鉱石で豊かだったのが、今は何もなくなってしまった、ということを示す象徴である、と。
なお、帰り際に、通期パスを割引価格で購入できる用のコード(5月いっぱいまでの限定)を入手はしたのだが、果たして、年パスを買ってまでリピートするほどのものだったかというと、正直自分にはそこまでは刺さらなかった。さてこの万博、賛否いろいろ分かれるところだが、最終的な評価や如何に。
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